長時間車椅子に座って過ごすことが多い方にオススメしたい車椅子です。
車椅子『ネクストコア』
松永製作所が作られている「ネクストコア」という車椅子です。
オススメのポイントは2つです。
フットレスト高さ調整機能
1つめのポイントは足を乗せる場所をフットレストと言いますが、そのフットレストの高さを調整することができます。
背の高さや足の長さは人によって違いますが、車椅子の座面の高さはどれも同じような高さです。
足の長い方がフットレストに足を上げた状態で長時間過ごすと、膝が上がり過ぎて疲れますし腰にも負担が掛かります。
この車椅子であればフットレストを上げ下げすることができるので、足の長い方が使用する場合にはフットレストを下げて使用することができ、楽な姿勢で車椅子に座ることができます。
ちょっとしたことなのですが、楽ではない姿勢で長時間過ごすと身体は傾き滑り座りのようになってきます。
そんな状態が何日も続くと、身体が拘縮してきたり床ずれができたり、食事の姿勢や立ち上がりにも影響してきます。
本人の身体に合わせてフットレストの高さを調整するのは大事なことです。
注意点
フットレストを下げ過ぎると、段差を乗り越えるときや坂道を上り下りする際に、フットレストが地面にぶつかる可能性があります。
普段移動する範囲の段差や坂道を確認し、問題なく移動できるかの確認が大事です。
背張り調整機能
2つ目のポイントは、背もたれの部分の張り具合を調整できる機能です。
背もたれの部分の裏側の右と左に、それぞれマジックテープがついており、そのマジックテープを緩めたり引っ張ったりすることで背もたれの張り具合を調整することができます。
背中の形も人それぞれで、特に高齢になると関節の変形や麻痺、拘縮などにより真っ直ぐな座った姿勢ではなくなってきます。
均等に張った背もたれではできてしまうすき間を、背張りの調整機能で緩めたり張ったりすることで身体にフィットした形状に変えることで、まっすぐに座ることができるようになります。
この背張り調整機能もフットレストの高さ調整と同様に、長時間車椅子に座って過ごす方が楽に座り続けるためにはとても重要な役割を持っています。
背もたれが身体に合っていないと、真っ直ぐに座り続けることができずに身体は段々と左右に傾いてきます。
また移動するたびに身体が前にずってしまい、滑り座りのようにもなってしまいます。
車椅子に座って食事をする機会がある方などは、真っ直ぐな姿勢で座って食べることでむせ込みを予防することもできます。
ネクストコアの種類
車椅子のネクストコアにもいくつか種類があります。
ネクストコア
標準タイプのネクストコアです。
背張り調整、フットレストの高さ調整が可能です。
ネクストコア・マルチ
背張り調整、フットレスト高さ調整に加え、肘掛けのはね上げ機能が付き座面のクッション性も良くなっています。
ネクストコア・アジャスト
背張り機能、フットレスト高さ調整に加え、座面の高さを3段階に、アームレストの高さを4段階に調整できます。
また、フットレストの高さだけではなく角度も調整できるようになっており、さらに細かく本人の身体に合った座位が保てる車椅子です。
ネクストコア・ミニモ
小柄な方専用に作られた超低床の車椅子です。
背張り調整やフットレストの高さ調整も可能です。
ネクストコア・グラン
背の高い大柄な方でもゆったり座れる高床車椅子です。
背張りやフットレスト調整は可能です。
まとめ
ネクストコアという車椅子だけでもこれだけの種類があります。
全ての機能を理解して使いこなすことはできなくても、1つでも身体に合った機能を使うことができれば、日々の生活や介護のしやすさに大きく影響します。
ネクストコアに関しては、
- 長い時間車椅子に乗ることが多い方
- 車椅子に座ると段々と身体が傾いてくる方
- 滑り座りになる方
に向いている車椅子です。
全て介護保険でレンタルが可能ですが、介護保険で車椅子をレンタルする場合には原則として「要介護2」以上の要介護認定が必要になります。
詳しくは担当のケアマネジャーや福祉用具専門相談員に相談して下さい。
また、もっと座った姿勢を安定させるための福祉用具として、車椅子用のクッションも介護保険でレンタルできるので、興味のある方はこちらも確認してみて下さい。
車椅子に乗ったまま屋内外を出入りする際に役に立つのが段差解消スロープです。
【室内用スロープ】
【屋外用スロープ】