【ケアマネの仕事術④】ケアの優先順位を付けて方向性を明確に

10年間居宅のケアマネジャーを経験して得た知識や技術で役に立つものをお伝えしたいと思います!

今回の極意は『ケアの優先順位を付けて方向性を明確に!』です。

 

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ケアの優先順位とは?

順位を付けるのはケアの内容などではなく、ケアマネジャーとして関わる訪問先の「人」に対する優先順位です。

どの「人」のことを1番に考えてケアをするか、その優先順位です。

優先順位を付けるのは大まかな分け方で良いと思います。

 

私が個人的に分けているは、「利用者」「家族」「サービス事業所」の3つです。

 

ケアマネジメントに関わる人を分類し順位をつけ、第1グループ(または個人)の意見や希望を第一優先にしてケアの方向性を決めて実行していきます。

 

優先順位を付ける理由

優先順位を付ける理由は、同じ訪問先でも関わる人の立ち場によって希望や想いが全く違うからです。

介護を受けている利用者本人と介護をしている家族は基本的に介護に対する考え方は違います。

真逆のことも少なくありません。

例えば、ずっと自宅で生活をしたい利用者と早く施設に入れたい家族、など利用者と介護者で意見が対立する場面はケアマネジメントを進めて行く中で何度も経験すると思います。

また、利用者や家族が介護サービスに希望・期待することと、実際にサービス事業所が提供できる介護サービスにもズレや限界があります。

そういう色々な立ち場や考え方の人が集まって1つの訪問先の利用者の生活を支えているのが在宅介護の現状です。

そしてそのバラバラの意見を可能な限り1つにまとめてケアの方向性を決めていかなれければならないのがケアマネジャーです。

バラバラの意見をまとめるためには、何かしらの基準や指針が必要になります。

話を聴く度にケアマネ自身の発言や対応がコロコロと変わっていたのでは、訪問先のケアをまとめることなどできず信頼関係も築けません。

そこで重要になるのが優先順位です。

「誰の」意見を最優先に聞き入れてケアの方向性を決めていくのかを明確にするための優先順位です。

 

優先順位の付け方

利用者や家族の順位を決めて1番の人の意見を優先するなんて差別ではないか、そもそも介護保険は「利用者主体」が原則なので利用者が1番ではないのか、と思われるかもしれません。

ただどのケアマネジャーも意識的にしろ無意識にしろ何かしらの優先順位を決めてケアプランを作っているはずです。

利用者や家族の中で一番大きな声で発言し決定権を持っている人の意見を最優先にプランを作っているはずです。

その順位付けを何となく無意識にするのではなく明確に意識してするべきだ、ということです。

無意識でやっていると訪問先によって優先順位も対応もバラバラになってしまいます。

これは利用者・家族にとってマイナスというよりも、ケアマネジャー自身にとってマイナスです。

仕事を進めていく上で自分の中に芯となる行動基準がなくブレブレの状態だと、他者の意見に左右されることになりストレスの蓄積が増大します。

そんな状態が何年も続くと精神を病むか仕事に対するやり甲斐や意欲がなくなる可能性が高いです。

なのでケアマネジャー自身のために明確に意識して優先順位は付けるべきです。

 

そして『介護保険の主体は利用者』という介護保険の理念に関する部分ですが、私個人的には介護保険の主体は利用者とは思っていません。

『介護保険の主体は家族』だと思っています。

介護保険は家族のためにあるものだと思っています。

利用者のことはどうでも良いと言っているのではなく、それ以上に家族のケアの方が大事だということです。

『介護』という行為に対して最もストレスを感じているのは介護者である家族です。

もちろん利用者本人にも、老いて鈍り思い通りに動かない身体と知能に対してのストレスや不安はあると思います。

そして死に対する恐怖も小さくないと思います。

でもそれは誰もが必ず通る道でありこれまで生きてきた成果であり、なによりも自分自身のことです。

介護者にとっては、家族であり肉親であるとはいっても自分自身のことではなく他人のことであり、その他人から受ける金銭的・体力的・時間的な束縛や消費が介護は極めて大きいためストレスとなります。

『介護』という行為が大きなストレスを与える行為であり、その影響を一番受けているのが家族なので、その家族を第一優先に考えてケアをするべきでありそのために介護保険がある、というのが私自身の考えです。

 

なので、私の中でケアの優先順位は、

  1. 家族
  2. サービス事業所
  3. 利用者

です。

身寄りがない独居の方などはサービス事業所が1番です。

あくまでも「私にとって」の順位ですので、これが正しくて皆そうするべきだなんて思っていません。

介護保険の理念通りに利用者が1番だと思うのであれば、利用者が1番で良いと思います。

別に誰が1番かなどはたいしたことではなく、重要なのは自分自身の介護観や人生観・ケアマネジメントに対する想いなどを意識して認識した上でケアに当たること、だと思っています。

100人ケアマネがいれば100通りの分け方や順位があると思うのでそれで良いです。

自分の本心にウソをついて自分で自分を苦しめるようなケアマネジメントをしないことが最重要だと思います。

 

誰を1位にしたところで、全ての人と関わることには変わりはなく、全ての人との良い関係性を構築していくことにも変わりはありません。

なので誰を1位にしても着地点は多少変わるかもしれませんがやることは大きく変わりません。

要は「ケアマネジャーがブレないこと」で、ケアマネジャーがブレなければ担当先のケアも上手くいきます。

そうすればケアマネジャーとしての自信にもなり、自分なりのケアマネジメントが確立されていきます。

 

まとめ

私自身が「家族」を第一優先に考えるのは、利用者が落ち着いて生活をするためにはまず家族に落ち着いてもらう必要があることを実感しているからです。

家族の介護負担やストレスが大きい状態だったり、介護に対する不安が大きい状態ではなかなか利用者の生活が安定しません。

常に介護者からのSOSがケアマネジャーに入るので、そのたびにケア内容の見直しをすることになり、そのしわ寄せは全て利用者本人に行きます。

利用者の生活の安定を考えれば考えるほど、介護者家族の存在の大きさに気付くことになり、まずは家族の介護負担・不安の軽減が第一優先だと思うようになりました。

家族が落ち着いて自宅で介護できるようになれば、それは確実に利用者にとってもプラスです。

そこからじっくり利用者の希望を聞き取って実行していけば良いのではないかと考えています。

 

自分なりの介護観に添ったケアの優先順位、一度考えて見て下さい。

そこが明確になればきっとケアマネジメントは変わります。

 

 

 

ケアマネの仕事術
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