【ケアマネの仕事術①】なるべく早くキーパーソンを見極め良い関係を築く

10年間居宅のケアマネジャーを経験して得た知識や技術で役に立つものをお伝えしたいと思います!

今回の極意は『キーパーソンを見極めて良い関係を作ろう!』です。

 

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キーパーソンとは?

ここで言うキーパーソンとは、「緊急連絡先」という意味でのキーパーソンではなく、「家族関係の中で一番発言力を持っている方」という意味でのキーパーソンです。

どの訪問先にも必ず、その方の意見を中心に話がまとまり進んでいきケアの内容が決まっていく、介護における中心となっている人が存在します。

そのキーパーソンとなる方と良い関係性をケアマネジャーが築けていれば、ケアマネジメントを進めやすくなり、その後に続くサービス事業所もケアが格段にやりやすくなります。

どんなに気をつけてケアをしていても、また事前のリスクマネジメントを徹底していても、手違いや思い違い、ちょっとしたミスによる怪我や事故は起こってしまいます。

そういうトラブルが起こった際に、キーパーソンとの関係性がしっかり築けていれば大事になることもありません。

キーパーソンとの関係性作りは、ケアマネ業務だけではなくその利用者に関わる全てのサービス事業所にとって役に立つ重要なことです。

 

キーパーソンの見極め方

ケアの方向性を決める権限を持つキーパーソンは、訪問先によって様々です。

同居している息子さんや娘さん、お嫁さんのこともあります。

同居していない息子さんや娘さんのこともあります。

利用者本人がキーパーソンのこともあります。

緊急連絡先のキーパーソンと発言力のあるキーパーソンが同じ方の場合もよくあります。

また、キーパーソンが1人とは限りません。

発言力のある方が2人や3人いる訪問先も少なくありません。

具体的に「こんな人がキーパーソン!」という定義はなく、各家庭によって家族関係も家族構成もバラバラなので見極めが難しいケースもありますが、ケアマネの初回訪問の時から、

この訪問先のキーパーソンは誰だろうか

と意識しているだけでも入ってくる情報は違うので、まずは意識するところからスタートになります。

その意識があるだけで、担当者会議時や契約時の利用者・家族の発言の仕方や内容に意識が向くようになり、

(この方を中心にケアの内容が決まっていくので、この方がキーパーソンかな)

というようなことがわかるようになります。

発言力のあるキーパーソンの方は、会議にしろ何にしろ必然的に発言する機会も多いと思うので、イチイチ見極める必要など無いケースも多いかもしれません。

ただ何となく無意識の内にキーパーソンとの関係性を作っていくよりも、意識して関わっていく中で関係性を作る方がより良い関係性が作れることは間違いないです。

大事なのはキーパーソンを見極めることではなく、その見極めたキーパーソンとの良い関係性を構築することにあります。

 

キーパーソンとの関係性作り

訪問先のキーパーソンを見極めたら、次はそのキーパーソンとの関係性作りです。

といってもそのキーパーソンの言うことを何でも聞いたりするなどは不要です。

できることであれば聞き入れて対応すれば良いですが、無理なことを聞き入れてしまうとそのしわ寄せは自分だけではなくサービス事業所に行ってしまい、結果的にマイナスになってしまいます。

 

キーパーソンとの関係性作りで最も意識するべきことは、

介護における不安を取り除くこと

だと思います。

どんなサービス利用に繋げるかとか、何をしてあげるかなどはそれほど重要ではなく、キーパーソンが抱えている不安を少しでも取り除くことができるかどうか、が関係性作りには重要です。

ただ、介護における不安なんて簡単に取り除くことができないことの方が多いです。

病気や怪我のように時間経過や治療によって状態が改善するのであれば解決もできますが、加齢によるADLや認知機能の低下が不安の原因であれば、取り除くことは難しいです。

デイやヘルパー、ショートステイや福祉用具のレンタルサービスを利用することで、日常生活における不安は解消でき家族の介護負担は軽減できますが、「介護」というものに関する根本的な不安は解消されません。

家族の方が感じている介護の不安は、排泄や入浴など日常生活における介護の不安もありますが、一番大きな不安は、

いつまでこの介護が続くのか

今後この介護はどうなっていくのか

という介護の見通しがつかないことに対する不安が一番大きいのではないかと思います。

 

なので、その部分の不安を少しでも解消できればキーパーソンとの信頼を得ることができ、良い関係を築きやすいです。

ただ、ケアマネジャーだからといって、この介護がいつまで続いて今後どうなっていくのかなどわかりません。

わかりませんが、これまでの経験や知識からある程度は予測することはできます。

この利用者の方は今後このような介護経過を辿る可能性が高い、というものを順番に説明し、もしそうなった場合の対応だったり注意点を説明する、それだけでも今後の介護不安の解消には大きく役立ちます。

 

パーキンソン病の持病があれば、今後どのようにADLが低下する可能性が高く生活のどの部分に支障が出そうか。

施設入所の希望があれば、どんな施設が近くにあり費用はどれ位かかるのか。

認知症の症状があれば、今後どういった行動が増えてくると予想でき、その場合の対処法は何があるのか。

などなど。

 

現在の不安に関しては、介護サービスを利用することで解消できることは多いですが、今後の不安に関してはまた別モノです。

その今後の不安を少しでも解消することがケアマネジャーの役割であり、それをすることでキーパーソンを含む介護者との信頼関係を構築できる最善の方法だと思います。

 

キーパーソンとの関係性作りがケアマネの一番の仕事

ケアマネジャーは直接利用者のケアを行いません。

なのでデイやヘルパーやショートステイなどのように直接的な介護を行うことによるキーパーソンとの信頼関係の構築はできません。

それ以外の部分でキーパーソンと信頼関係を作っていく必要があります。

そのために一番有効なのが、『今後の不安の解消』ではないかと思います。

ケアマネジャーとキーパーソンが友好な関係を構築できていれば、そのあとに続くサービス事業所がとても仕事をやりやすくなります。

ケアマネジャーがしっかりと信頼関係を構築できていれば、そのケアマネジャーが紹介したサービス事業所も信頼してもらえます。

そうなればサービス事業所もずっとケアがしやすくなります。

そしてサービス事業所からも信頼してもらえるようになります。

現場のことはサービス事業所にお任せし、ケアマネジャーはサービス事業所に繋ぐまでのキーパーソンとの信頼関係の構築に全力を尽くすべきです。

それこそがケアマネジャーの一番の仕事ではないかと思います。

 

信頼関係の構築で大事な心構えとして、

半歩踏み込んで関わる

ということを意識しています。

ケアマネジャーに関わらず相談支援業務に関わる人全てに共通すると思いますが、支援をする者が面倒だからとか自信が無いなどの理由で一歩引いた状態で利用者に関わっていると、ほぼ間違いなく信頼関係は得られません。

(本気で自分のことを考えてくれていないな)ということが伝わるのだと思います。

そうすると相手も一歩引いてこちらと接してくるようになるので、お互いの溝はドンドン広がっていきます。

こちらが半歩踏み込んで相手に接することで、相手もこちらの本気の気持ちを感じ取ってくれるので信頼関係を得やすいです。

踏み込み過ぎると自分自身が抱えきれなくなって潰れてしまう恐れもあります。

あくまでもイメージとしてですが、半歩ぐらいの踏み込みが良いのではないかと思います。

 

まとめ

訪問先のキーパーソンを見極める。

そしてそのキーパーソンとの信頼関係を構築する。

この2つを初回訪問のときから意識してみて下さい。

きっとケアマネジメントの流れが大きく変わるものと思います。

 

ケアマネの仕事術
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