折りたたみのできる電動車いすでQOLを大きく向上

車椅子にモーターとバッテリーが搭載された「電動車いす」は以前から介護保険でレンタル可能な福祉用具としてありました。

今回、そんな電動車椅子に試乗する機会がありましたので、実際に触って乗ってみた感想をお伝えします。

 

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折りたたみ式電動車いす「ラスレル」

今回試乗した電動車いすは、カシダス株式会社が製作している折りたたみ式の「ラスレル」という機種です。

緑色のシートが特徴で、パッと見は普通の車椅子と変わらない、むしろシンプルなぐらいのデザインです。

 

右側の肘置き前方に車椅子を操作するコントローラーが付いています。

小さなつまみを前後左右に動かすだけで簡単に車椅子を動かすことができます。

速度も調整でき、最大で6kmまで出せます。

4時間でフル充電でき、満タンの状態で14kmの距離を走行できます。

フットプレート(足置き)は通常の車椅子だと左右に分かれていますが、この電動車いすは前後に動く1枚もののプレートに足を載せるようになっています。

 

座面の下に付いているワイヤー(解除ひも)を引っ張ることで、車椅子を簡単に折りたたむことができるようになっています。

車体の重さは約22kgです。

電磁ブレーキもついており、ロック状態だと車椅子自体が動かないようになっています。

 

試乗してみた感想

かなり小回りが利く

操作レバーを右か左に傾けたままにすれば、その場で回転することができます。

通常の車椅子で反対方向を向こうと思うとかなりの手間とスペースが必要になりますが、このラスレルは一瞬でクルッと後ろ側を向くことができます。

これは凄いと思いました。

 

操作は非常に簡単。ただし操作レバーは小さめ

操作パネルには、

・電源ボタン

・速度ボタン

・クラクション

・操作レバー

の4つが付いています。

ボタンは良いのですが、操作レバーが小さいためやや操作がし難いです。

若い方なら全く問題はないと思いますが、介護保険でレンタルする方が操作することを考えると、難しい印象でした。

またブレーキも付いておらず操作レバーを離すと止まる仕組みになっています。

そのため、ある程度先のことを予測しながら操作レバーを使う必要があります。

 

屋外でも問題なく走行できる。ただ坂道や段差は怖い

屋内は当然スムーズに進みますし、屋外にも出て乗ってみたのですが、多少の坂道や段差ぐらいは問題なくグングン進みます。

速度も最大で時速6kmまで出ますが、かなり速く感じました。

時速6kmということは電動四輪車と同じ時速ですが、この電動車いすは本体が小柄なこともあるためか、かなり体感速度は速く感じました。

逆にそれが怖かったです。

電動四輪車のようにガッチリとした本体でもなく、また乗っている人も座面や背もたれの薄い椅子に座っているだけで固定されていません。

坂道などを勢いよく進むと前向きに転倒してしまわないかとヒヤヒヤしました。

安全用のベルトもオプションで付けられるようですが、車椅子本体が傾いてしまえば転倒は免れないので、屋外での使用にはかなり慎重になる必要があると感じました。

ただ、スイスイ進みます。

本当に思っていたよりもスムーズに音も振動もなくスイスイ進みます。

屋内で気軽に使用するには最適な走行感覚でした。

 

折りたたみ可能であるが、簡単に持ち運べるほどではない

「3秒で折りたためる」という見出しのとおり、本体裏にあるワイヤーを引っ張るだけで折りたためます。

普通の車椅子は座面の真ん中から左右に折りたたみますが、この電動車いすは背もたれが倒れて前後に折りたたみます。

慣れれば3秒で折りたたむことも可能かと思います。

 

ただ持ち運びが楽かと言われれば、それほど楽ではないです。

写真では高齢の男性が折りたたんだ状態で階段を登っていますが、そう簡単にはできないです。

軽量といっても22kg弱はあります。

日常的に持ち運ぶのは無理があるので、折りたたんで立て掛けて置くのが現実的な使い方かなと思います。

毎日、頻回に使用するのであれば折りたたむ必要もないです。

 

走行距離は最大で13km。こまめな充電が必要

バッテリーを最大まで充電して走行できる距離は13kmです。

電動四輪車が30km近く走行できることと比べると、半分以下の走行距離になります。

屋外の移動に使用する場合には、片道6kmぐらいの距離までの使用となります。

近くのスーパーまで行って帰ってくる場合、住環境にもよりますが店内の移動距離も含めて考えるとそれほど余裕はないと思います。

自宅内の移動に使うことに関しては問題ない距離だと思います。

旅行先に持参して使う場合などは、不足することが出てきそうです。

どのような使い方にしても走行距離は意識して使用する方が良いです。

充電が切れてしまっても、普通に後ろから押して移動することはできます。

 

乗り移りはやりにくいかも

椅子やベッドからこの電動車いすに移る場合、また電動車いすから椅子やベッドに移る場合、少し移りにくいかなと思います。

最近の車椅子は肘置きが跳ね上げられるようになっており、ベッドに移る際などに邪魔にならず移れるようになっています。

このラスレルは肘置きの跳ね上げができないため、ベッドに移る際には肘置きよりも体を前に出してベッドに移る必要があります。

一人でベッドに移る場合などは手や腕の力が必要になります。

 

まとめ

屋内で使用する場合、バリアフリーで広めの廊下幅が必要など条件がありますが、自走して移動するための道具としてはかなり役に立つと感じました。

屋外で使用する場合、アスファルト上であればスイスイ進むので自宅周辺の道路や歩道の移動では活躍できます。

ただ屋外で使用する場合には少しの坂道や段差を乗り越える場合にも前方に転倒しそうになるので、慣れは必要です。

 

試乗してみて、車椅子と電動四輪車の良い部分を切り取ったような使い心地でした。

使いこなせる方が乗れば、日々の生活を劇的に変えることのできる可能性もあると感じました。

ただ、

介護保険を利用している高齢者向けではないな

とも思いました。

小回りが利く半面、細かい操作が必要になります。

また、日常生活の多くに介護を受けている方の場合、この電動車いすが活躍する機会も少ないです。

ケガや病気で歩くことが困難になった若い方にはピッタリの福祉用具だと思いますが、そうなると介護保険が利用できないという難点があります。

介護保険を利用した場合、1ヶ月のレンタル料は2000円前後になります。

(※詳しくはケアマネジャーかレンタル業者に確認してください)

自費で購入する場合には、定価で30万しております。

ちょっと簡単に購入できる金額ではないのが残念ですが、かなり面白く可能性の高い福祉用具だと思いました。

 

興味のある方は確認してみて下さい。

 

 

 

 

 

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